文章を作成している時、読み方は同じ、使う漢字は別、という2つの言葉について、どちらを使うのが正しいのか、悩んでしまう事、よくありますよね。
そんな場合はひらがなで書いておく、というのも1つの手段ではありますが、仕事で使う文書だったり、あらたまった手紙だったりすると、やはり正しい使い方をするのがベストです。
そんな同音の言葉の中から、今回は「関わる」と「係わる」を取り上げてみたいと思います。
2つの「かかわる」「関わる」と「係わる」について
「かかわる」を辞書で調べると、【関わる/係わる/拘る】という形で、意味は、
①関係をもつ。関係する。
②重大なつながりをもつ。影響が及ぶ。
③(拘る)こだわる。
となっています。
「関わる」と「係わる」が同じ意味を持つ単語として扱われているのです。
さて、困ってしまいました。
「かかわる」で使う漢字の意味
悩んだ時は、使っている漢字の意味を調べてみましょう。
まず1つ目の「かかわる」である「関わる」から言ってみます。
辞書で調べると、「関」という字の意味は、
②大事な場所。しかけ。時機。
とあります。
2つ目の「かかわる」である「係わる」で使う「係」という字の意味は、
②かかり。ある事を担当する。
とあります。
「かかわる」と読む場合はどちらも①の意味を採ります。
こうしてみると、微妙に違う意味になっている事が分かりますね。
2つの「かかわる」の使い分け
2つの「かかわる」、「関わる」と「係わる」について、更に調べてみたところ、2つの「かかわる」の違いは、
「係わる」:結びつながる
とありました。
それぞれの意味は、それぞれに使われている漢字から出ています。
「関わる」は「関」、「玄関」「関所」という熟語にも使われているように「出入口」という意味も持っています。
外と中を出入口でつなぐ場所というところから、構造的なつながり、という意味になったようです。
「係わる」は「係」、人偏に糸、人を糸で結ぶ、という意味を持っています。
ですので、使い分ける時は、
という風に覚えておくのが良いでしょう。
ビジネスや公用文で使う「かかわる」
2つの「かかわる」の使い分けについて解説してきましたが、ここで重要な注意点があります。
それは、今までご説明した2つの「かかわる」の使い分けはあくまでプライベート上で書く手紙や文書に関しての事で、ビジネス文書や公用文で使う「かかわる」は「関わる」で統一しなければならない、という事です。
なぜなら、「関わる」は常用漢字ですが、「係わる」は常用漢字ではないからなのです。
2010年までは「関わる」と「係わる」はどちらも常用漢字ではなかったので、公用文などではひらがな表記になっていました。
ですが、
勿論、試験問題に出てくる「かかわる」も「関わる」を使う必要があるので、公的な文書の中では「かかわる」は「関わる」である事を間違えないようにしましょう。
まとめ
公的に使うのは「関わる」という事になっていますが、「係わる」という使い方も詩的で良いですよね。プライベートでは好きなように使って問題ないかと思います。
また、「係わる」でなく「係る」と記載されている場合は、「かかわる」でなく「かかる」と読む事も、併せて覚えておくと良いですよ。