起業を考えていらっしゃる方なら、会社と企業と法人という言葉は、よく聞くし、意識されているかと思います。
会社・企業・法人については、その違い、そしてそれぞれの性質について、しっかりと理解しておく必要があります。
これから、会社・企業・法人について、順に解説していきます。
会社とは
会社というのは、会社法に基づいて設立された法人を指します。
- 株式会社
- 合名会社
- 合資会社
- 合同会社
の4種類に分けられます。以前は有限会社というものもありましたが、2018年現在では新たに設立する事は出来なくなっています。
企業とは
企業というのは、営利目的で、継続的に生産・販売・サービスなどの経済活動を営む組織体またはその事業を指します。
会社のほか、農家や個人商店、フリーランスで仕事をしている個人事業なども、企業に含まれます。
法人とは
法人というのは、自然人以外のもので、一定の目的のために結合した、人の集団や財産について権利能力(法人格)が認められた、法律上の権利義務の主体とされるものを指します。
大きく2つに分けると、
- 公法人
- 私法人
になります。
公法人は国営企業・公社・公団・公庫・公共組合・独立行政法人など。
私法人は、営利法人(会社)と非営利法人(学校法人・医療法人・宗教法人・NPO法人など)などに分けられます。
- 社団法人
- 財団法人
という分類もあります。
社団法人は、一定の目的をもった人の集団(社団)で、権利・義務の主体となることができる法律上の資格(法人格)を認められたもので、
- 一般社団法人
- 公益社団法人
- 営利社団法人
があります。
財団法人は、一定の目的のために提供された財産を運用するため、その財産を基礎として設立されるもので、
- 一般財団法人
- 公益財団法人
があります。
一度に全て頭に入れようとするとパンクしてしまうので、まずは公法人と私法人の分類だけ覚えておくようにしましょう。
会社と企業と法人の分類
以上の項で解説しましたように、会社と企業と法人を簡単にまとめると、
- 会社:会社法に基づいて設立された法人
- 企業:法人や個人商店を含めた営利を目的とする事業
- 法人:一定の目的のために結合した、法律上の権利義務の主体
となります。
企業というのがこの3つの中で最も大きな分類であり、その中に法人があり、法人の中に公法人と私法人があり、私法人の中に会社が含まれるという事になります。
起業するなら何がお得?
将来起業したいという方に、法人企業と個人企業のメリットとデメリットを表にしてみました。
法人企業
メリット | ・社会的信用度が高い。 ・事業でもし失敗しても、負債を事業主個人が負う事がない。(企業を「法人格」としているため、企業が負担する) ・企業から事業主に給与を支払う事ができる。 ・保険料や会社で使う施設などを経費で落とせるなど、経費にできる範囲が広い。 ・融資を受けやすい。 |
デメリット | ・起業時、定款の作成及び登記とお金が必要。 ・会計の計算が素人には難しいのでプロに依頼する必要があるなど、諸処でお金がかかる事が多い。・廃業時、登記とお金が必要。 |
個人企業
メリット | ・起業と廃業共に、手続きのみでお金が要らない。 ・会計の計算が容易なのでプロに依頼する必要がない。 |
デメリット | ・社会的信用度が法人に較べると低い。 ・事業で失敗した時、負債を事業主個人が負う事になる。 ・企業から事業主に給与を支払えない。 ・経費にできる範囲が狭い。 ・融資を受けづらい。 |
まとめ
法人にするのは、メリットが多い分、手続きが多かったり、諸経費がかかったりするようです。
これから起業するのであれば、まず手続きが少なく、諸経費も抑えられる個人事業として起業し、収支が安定してから法人化するというのが、一番無難な線ではないでしょうか。