私達が日々使っている日本語には、同音異義語が沢山ありますよね。
同音異義語で、読み方は同じでも発音が違う場合は、発音と文字をセットで覚えるっていう方法もあるんですけど、読み方も発音も同じだと、紙に書く時やパソコンやスマホに入力する時とかに困ってしまう事もしょっちゅうなんじゃないでしょうか。
今回は、そんな、読み方も発音も同じ同音異義語である「解答」と「回答」を取り上げてみたいと思います。
あなたは、この2つの「かいとう」、それぞれの正しい意味をご存知ですか?
解答の意味とは?
まず、1つ目の「かいとう」である「解答」について解説します。
辞書で調べると、「解答」は「問題を解いて答えを出すこと。また、その答え」となっています。
「解」という字には、「意味をときあかすこと。解釈。また、その説明」という意味と、「与えられた問題に対する答え」という意味があります。
つまり、こちらの「かいとう」は、
問題を解く=正解がある質問に答える
という意味があるという事になります。
例文をいくつか挙げますと、
- テスト問題に解答する。
- 数学の授業で先生の質問に解答する。
などが、「解答」の正しい使い方になります。
回答の意味とは?
次は、2つ目の「かいとう」である「回答」について解説します。
辞書で調べると、「質問・要求などに答えること。また、その答え」とあります。
「回」という字には、「ある事柄を繰り返すときの、ひと区切り。回数」という意味と、「向きを変えて、もとにもどる。まわす。まわる。めぐる。めぐらす。かえす」という意味があります。
こちらの「かいとう」は、
答えをかえす
という意味があるという事になりますね。
例文をいくつか挙げますと、
- アンケートに回答する。
- 意識調査に回答する。
などが、「回答」の正しい使い方になります。
「解答」と「回答」の使い分け
「解答」と「回答」、2つの例文を見ていただけるとお分かりと思います。
- 「解答」では、数学の問題のように、正解が必ずある質問に対して答えています。
- 「回答」では、アンケートや意識調査のような、正解が用意されていない質問に対して答えています。
ですから、学校で配られるものに対する答えとして、テスト用紙に書くのは「解答」、アンケートや進路指導に書くのは「回答」です。
例えば、「かいとう」用紙という単語で使う漢字は、
- テストの「かいとう」用紙は「解答用紙」
- アンケートの「かいとう」用紙は「回答用紙」
という事になります。
難しいパターン:これならどっち?
ただ、ちょっと悩んでしまう使い分けパターンもあります。
クイズ番組などで使われる「かいとう」がそれです。
基本的には、クイズ番組にはちゃんと正解が用意されていますから、普通に考えればここで使う「かいとう」は「解答」になります。
でも、クイズ番組は出題をする司会者がいて、その質問に「かいとう」しています。
ですから、このケースでは、『クイズの出題者に「解答」を「回答」する』という事になります。
ちょっとややこしいですね。
クイズ番組では、「かいとう」者は「解答者」と表記されている事がほとんどですので、この場合、どちらが正解かというと「解答」なのですが、「回答」でもまるきり間違っているわけではないんです。
まとめ
2つの「かいとう」について解説しました。違いがお分かりいただけたでしょうか。
簡単に明快に覚える場合は、
- 正解がある質問に答えるのが「解答」
- 正解のない質問に答えるのが「回答」
という感じで覚えれば、使い分ける事は決して難しくはありません。
2つの「かいとう」、違いをしっかり覚えておきましょう。