言葉の造りや意味の似通った言葉は、今まではそれほど意識せずに使っていらっしゃったと思います。
ですが、社会人になると、この2つの言葉を明確に使い分けなければならない場面によく遭遇するようになります。
今回は、そういう言葉の中から「記載」と「記入」を解説させていただきます。
使い分けを必要とされた時になって慌てないように、「記載」と「記入」という2つの言葉の意味と使い方をしっかり頭に入れておきましょう。
まず「記」の意味を知る
似た言葉で、同じ字が使われている熟語の意味を調べる時は、まず共通している字の意味を調べてみましょう。
「記」という字の意味は、辞書で調べると、
①書きしるすこと。また、その文書。記録。
②文体の一。事実をしるすもの。
とあります。
この事で、「記載」と「記入」の2つの言葉は、書き記すという共通の意味を持っている事がはっきりしました。
「記載」の意味とは?
次に、「記載」の意味からみていきましょう。
辞書で調べると、「記載」は「書類・書物などに書いて記すこと」とあります。
そして、「記載」の「載」という文字を辞書で調べると、
②書物などに記す。「載録/記載・掲載・所載・転載・連載」
③年を数える語。「千載 (せんざい) 一遇」
とあります。
「記載」の場合は②が該当します。「書物などに記す事で載せる」という意味だと分かります。
「記入」の意味とは?
次に、「記入」を辞書で調べると、「所定の用紙などに書き入れること」とあります。
そして、「記入」の「入」という文字を辞書で調べると、
②ある範囲にいれる。とりいれる。
とあります。
そして「記入」は「ある範囲の中に入るように記す」という意味だと分かります。
「記載」と「記入」の例文
「記載」と「記入」を使う例文を、いくつか用意しました。
どの文に「記載」が当てはまり、どの文に「記入」が当てはまるのか、考えてみてください。
(1) アンケート用紙に「記○」する。
(2) 重要事項はこの書類に「記○」されています。
(3) 書籍に「記○」されている内容に誤りを見つけた。
(4) 指示通り用紙に氏名と生年月日を「記○」してください。
(5) 詳細な情報はウェブサイトに「記○」されています。
(6) 答案用紙に解答を「記○」した。
「記載」が当てはまるのは(2)・(3)・(5)で、「記入」が当てはまるのは(1)と(4)と(6)です。
あなたは、全て正解できましたでしょうか?
「記載」と「記入」の使い分け方
前項での当てはめ問題が、残念ながら全問正解出来なかった。
あるいは、正解できたけど、自信を持って答えられた訳ではなかった。
以上の方に、「記載」と「記入」の明確な違いを解説します。
「記載」は「書物などに記す事で載せる」、「記入」は「ある範囲内に記す」です。
つまり、
ですから、書物や書類など、形になって残るものに記したものを載せるのが「記載」、アンケート用紙などに単に書き入れる場合は「記入」になるのです。
これを理解すれば、「記載」と「記入」のどちらを使えば良いか、すぐ判断できます。
形に残るものへ書き記すのが「記載」、単に書き記すのが「記入」です。
まとめ
「記載」と「記入」の違いについて解説させていただきました。
この2つの言葉は、仕事をしていくにつれて、とても使う頻度の高い言葉だという事がおわかりいただけると思います。
使い分け方を、一度覚えたら忘れずに、間違いのないようにしていきましょう。